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Medical Treatment

下垂体・内分泌センターのご案内

Pituitary and Endocrine Center Information

下垂体の仕組みと下垂体部腫瘍について

下垂体は大脳の底部に位置し、ホルモンの分泌を司る重要な器官です。

  • 下垂体の模型とMRI
  • 下垂体の模型とMRI

わずか1cmほどの大きさですが、前葉と後葉に分かれており、前葉からは成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンなど、後葉からはバゾプレシン(抗利尿ホルモン)など体の調子を整える様々なホルモンを分泌しています。

下垂体ホルモンと作用部位

下垂体ホルモンと作用部位
  • GH肝細胞ソマトメジンC(IGF-1)
  • TSH甲状腺FT3、FT4
  • PRL乳腺乳汁
  • ACTH副腎コルチゾール
  • LH、FSH卵巣・子宮、精巣エストロゲン、テストステロン
  • バゾプレシン(ADH)腎集合管
  • オキシトシン乳腺
採血で測定可能なもの
GH、ソマトメジン(IGF-1)、TSH、FT3・FT4、PRL、ACTH、コルチゾール、LH・FSH、エストロゲン・テストステロン、バゾプレシン(ADH)

下垂体の機能が低下すると、倦怠感、寒さへの抵抗力低下、月経不順、気力減退などの症状が現れることがあります。その原因として、腫瘍による下垂体の圧迫や炎症が考えられます。
一方で、下垂体内のホルモン産生細胞が腫瘍化すると、過剰なホルモン分泌が起こり、以下のような病気を引き起こします。

  • 成長ホルモン産生腫瘍:先端巨大症
  • 副腎皮質刺激ホルモン産生腫瘍:クッシング病
  • プロラクチン産生腫瘍:乳汁分泌・無月経症候群

下垂体部腫瘍について

下垂体部とは下垂体がある骨のくぼみ(トルコ鞍)の周りを指します。

  • 下垂体部とは​
  • 下垂体部とは​

この部位には図に示すような様々な種類の腫瘍が発生します。

経鼻内視鏡手術

  • 下垂体腺腫
    下垂体腺腫
  • ラトケ嚢胞
    ラトケ嚢胞
  • 下垂体炎・肉芽腫
    下垂体炎・肉芽腫

拡大経鼻内視鏡手術

  • 頭蓋咽頭腫
    頭蓋咽頭腫
  • 類上皮腫
    類上皮腫
  • 髄膜腫
    髄膜腫
  • 脊索腫
    脊索腫
  • グリオーマ
    グリオーマ
  • 胚細胞腫
    胚細胞腫
  • 転移性下垂体腫瘍
    転移性下垂体腫瘍

これら下垂体部にできる腫瘍はすべて経鼻的内視鏡手術で摘出することができます。

そのうち最も多くみられるのは下垂体腺腫で脳腫瘍の中で3番目に多い良性腫瘍です。下垂体腺腫は、2024年より「下垂体神経内分泌腫瘍(PitNET)」と呼ばれるようになりました。PitNETは、大きくなると視神経や眼球運動神経を圧迫し、視界が狭くなる「両耳側半盲」などの症状を引き起こします。
また、腫瘍がホルモンを分泌する細胞から発生した場合、小さな腫瘍でも特徴的なホルモン異常の症状が現れます。眼のかすみや体のだるさなど少しでも体調に異変を感じたら、早めの検査をお勧めします。

当センターでの診療について

当センターでは、下垂体・内分泌に関する一連の検査・治療を集学的に行っています。

  1. ホルモン検査
    • 内分泌機能のスクリーニングを実施
    • 必要に応じてホルモン負荷試験を実施
    • 異常が認められた場合、厚生労働省指定の難病申請を支援し、ホルモン補充療法を実施
  2. 画像検査
    • 専門的なMRI検査により下垂体部の異常を診断
  3. 外科的治療

当院には、日本内分泌学会認定の内分泌代謝科(脳神経外科)専門医が在籍しており、福岡大学筑紫病院福岡徳洲会病院の内分泌・糖尿病内科と連携し、精密検査・治療を提供しています。専門的な診療が必要な方は、お気軽にご相談ください。

(矢野茂敏)

下垂体部腫瘍手術実績

2023年(7-12月) 2024年(1-12月)
合計 21 33
下垂体腺腫 10 12
ラトケ嚢胞 5 9
髄膜腫 2 2
嗅神経芽細胞腫 2 2
くも膜嚢胞 2
下垂体卒中 1
三叉神経鞘腫 1
髄液鼻漏 1 1
鼻出血 1
黄色肉芽腫 1
血栓化巨大動脈瘤 1
粘液嚢胞 1

治療法について

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